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ダンボ
こんにちは!両耳に神経系の先天性障害を持ちながら、男子新体操団体でインターハイに出場した経験を持つダンボ(@dumbo-circus)です。

 

表現の世界で生きることで「聴こえが悪い」という事実を良いところだと思うようになりました。

 

発想の転換

 

空中ブランコの発表会で発表した作品をご覧になられた大道芸の先輩がおっしゃっていただいた言葉が忘れられません。

 

大道芸の先輩
多くの大道芸人たちは無音を嫌がるが、あなたは無音で人を惹きつけることができる。それはすごい。

 

 

無音の場面はわずか10秒ほどの時間を使い、登場するだけのところですが、

 

他のお客様からの評判がよかったので、

 

改めて

 

ダンボ
無音で人を惹きつける」とはどういうことだろうか

 

と改めて考えるようになりました。

 

 

もしかしたら、「無音」つまり音がない世界にいることは健常者の彼らとかなり大きな違いかもしれないですね。

 

 

音がない世界」と「音がある世界」それぞれの世界を分析することにしました。

 

 

 

音がない世界とは…。

 

あなたは音がない世界を知っていますか?

 

意識して聴くことはありますか?

 

まぶたを閉じると見えない世界があるように、音がない世界があります。

 

 

両側感音性難聴」と診断されてから障害等級6級と手帳を付与されていますが、

 

私自身は完全に音がない世界を経験したことはありません。

 

しかし、補聴器によって聞き取れない音を補っています

 

補聴器がないと、聞こえないことによりできなくなることがあります。

 

 

  • コミュニケーションがとれなくなる
  • 車の音・なにかしらの警告音 など

 

 

声や音を聞くこと社会の中で私たちがつながる手段です。

 

 

音が聞こえない状態は、大切な人や社会と「つながる」手段が制限され、なんともいえない寂しさ身の危険を感じます。

 

こういった音を聞き取れない状態が怖いと感じ、補聴器をつけて生活しています。

 

 

ただ、補聴器も電池があってこそ使えるもの

 

電池がなくなったときに予備の電池がない場合はとても焦ることが多く、予備の電池は手放せません。

 

 

音のない世界を疑似体験し、

 

言葉に頼らずコミュニケーションを楽しむイベントが開催されていることもありますので、

 

機会があれば「音がない世界」を体験してみてはいかがでしょうか。

 

会場には七つの部屋があり、異なる体験ができる。「手のダンス」では参加者が影絵で様々な形や物を表現。「顔のギャラリー」では表情のみで「喜び」や「怒り」などの気持ちを表し、「形と手」では箱の中身を身ぶり手ぶりで伝え合う。

「ダイアログ・イン・サイレンス」朝日新聞より引用

 

 

 

音がある世界とは?

 

音がある世界はとても好きです。

 

  • 人の話し声や風や波の音、鳥がさえずる声
  • 電車・車、携帯の呼び出し音
  • 本をめくる音、物と物がぶつかる音、すれる音etc

 

これらの音をどう見なすかは感じる人次第ですが、私たちは様々な音にかこまれて生きています

 

 

もし、あなたの身の回りに音がない状態になったとしたら、何かしらの違和感を感じるのではないでしょうか。

 

 

そして音がない空間に長くいたいと感じる方は少数ではないでしょうか?

 

 

私たちの脳は異なる音を識別して解釈し、聞きたいものに集中できるようになっています。脳は大切な人の声を即座に認識できたり、背景の音を聞かずに静かに読書に集中させてくれたりします。音が絶え間なく発生しているにも関わらず、どの音をオンにし、どの音をオフにするかを決定するのが脳なのです。

引用:フォナック

 

 

私たちの耳はつねに動いてます。

 

人は無意識のうちに多くの音を聞き分け、判断し、聞きたい音を聞いています。

 

 

 

 

 音が聴こえないからこそできるようになったこと

 

音が聴きとれないと目から入る情報(視覚情報)に頼らざるを得ません。

 

だから、集中力や観察する力、目から入ってくる情報を識別する力が身につきました。

 

筑波大学が出された学術記事からも聴覚障害者が特異な空間認知機能をもっていることを証明しています。

 

今回の呈示課題に対するアイマーク・レコーダーによる眼球運動の解析では、聴覚障害学生においては、運動数、総移動距離、平均移動距離が有意に高値であり、再認時の探索スコアも対照群に比較して有意に高い値を示した。以上の結果は聴覚障害者が優れた周辺視野をもち、限られた時間内にできるだけ多くの視覚情報をインプットしようとする表れであると考えられる。

引用:聴覚障害における視覚情報処理特性― アイマーク・レコーダーによる眼球運動の解析 

http://www.tsukuba-tech.ac.jp/repo/dspace/bitstream/10460/151/1/Tec14_0_27.pdf

 

 

また、スラバスノーショーで知られるスラバの講演会でも、同じようなことをおっしゃっていました。

 

スラバ
私たちの劇団にも耳が聴こえない人はいるが、彼はまわりをよく見ている。

私たちが気づかないところにも気づくことができる。

だから、私たちはいつも彼に助言を求める。

 

 

聴覚障がい者は音を捉える力は弱いかもしれないけど、健常者よりも視覚に優れていることが分かりますね。

 

 

 

考察

 

人は「見たいものを見る、聞きたいことを聞く」という習性があるそうです。

 

情報を取捨選択し、形成されたイメージこそが個人の「世界観」だと捉えています。

 

参考:「世界観」…世界や人生の本質・意義・価値についての見方や考え方。

引用:「国語辞典」第十版 旺文社 

 

 

音がない世界」 「音がある世界」を経験することで、個人の世界観が深まった。

 

また、一つの動作をするときの集中力が研ぎ澄まされた結果、無音でもお客様を惹きつけることができたのではないかと考えています。

 

 

 

これらを踏まえて…。

 

私は理想とする「人とのつながり」を感じられる「場」をデザインすることを目指しています。

なかでも以下のようなことが私の役割だと考えられるようになりました。

 

  • 「音がある世界」「音がない世界」それぞれの世界で生きる方が楽しめるエンターテイメント(場)をつくること。
  • 「音がない世界」に苦しんでいる方にヒントを伝え、寄り添っていけるメッセージ性のある作品をつくること

 

 

他とは違う考えに至った過程こそが、「聴こえがわるい」をいいところだと捉えられるようになったきっかけです。

現状に感謝すると、一見、悪いところもよく見えるものですね。

こちらの本は失聴された方が書かれた本です。興味がありましたら、ご覧ください。

 

音のない世界と音のある世界をつなぐ――ユニバーサルデザインで世界をかえたい! (岩波ジュニア新書)

 

最後までご覧いただき、ありがとうございます。今回の記事、いかがでしたか?

記事をご覧になる皆さまにとって、何かしら役立つことを願っています。

 

では、またお会いしましょう。

 

ジャレル=ジョコーソ・ダンボ

 

 

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